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あの1ミリから始まった欧州サッカーの夜

サッカーとの付き合い方は人それぞれです。自らプレーしてきた方もいれば、テレビ越しに観戦するだけの方もいます。私にとってサッカーは、日々の暮らしの中で、時に「楽しみ」であり、時に「熱狂」でもありました。気がつけば、高校サッカーからJリーグ、そしてヨーロッパのリーグへと、興味の幅が自然と広がっていったのです。

プロサッカーリーグ「Jリーグ」が日本に誕生したのは1992年。その前身は「日本サッカーリーグ(JSL)」でした。サッカー日本代表の活躍もあり、JSL創設当初は人気を集めていましたが、次第に実力・人気ともに低下していきました。

1980年代に最も注目されていたのは、高校サッカー、なかでも全国高校サッカー選手権大会だったように思います。当時、大学でサッカーをしていた知人から「サッカーで一番面白いのは冬の高校サッカーだ」と聞いた記憶があります。私自身も、正月の国立競技場で繰り広げられる真剣勝負に胸を熱くしていた時期がありました。

時は流れ、現在のJリーグはJ1・J2・J3の3部制となり、地域に根差したクラブ運営もあって、人気は高まりを見せています。Jリーグから海外へ移籍する選手が増えたことで、自然と海外サッカーへの関心も広がってきました。

イングランドのプレミアリーグやスペインのラ・リーガ、ドイツのブンデスリーガなど、ヨーロッパの主要リーグはとくに高い人気を誇っています。現地で観戦するのは容易ではありませんが、今ではインターネットの普及によって、日本にいながら欧州の試合をリアルタイムで観られるようになりました。

私がそうした海外サッカーにより関心を持つようになったきっかけがあります。三笘薫選手の「1ミリの奇跡」です。

2022年のカタールW杯・グループステージのスペイン戦。ゴールラインぎりぎりのボールを三笘選手が折り返し、それが田中碧選手の逆転ゴールへとつながりました。VARによる長い審議の末、「ボールのわずか1.88ミリがライン上に残っていた」とされ、世界中で話題となりました。

繰り返し映されたその“1ミリ”に、三笘選手の執念や集中力、そして勝利への静かな意志を感じました。私が彼に惹かれたのは、プレーの精度だけではありません。むしろ、謙虚で驕ることなく、淡々と結果を積み重ねていく彼の人柄に心を打たれたのです。

この「実力」と「人間性」の両立は、野球の大谷翔平選手にも通じるものがあるように思います。二人とも、ひたむきに努力を続け、たとえ結果を出しても浮かれることなく、自分の役割に真摯に向き合っています。

あの一瞬の“1ミリ”がなければ、ここまでサッカーに思いを寄せることもなかったかもしれません。技術のすごさだけでなく、その奥にある意志や人柄に心を動かされる──そう感じられることこそが、サッカーの魅力なのだと思っています。